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【煉瓦屋の初春の贅沢】〜AI 向田邦子さん風
高尾の煉瓦屋の暖簾をくぐったのは、初春の午後だった。窓から差し込む光は、店内の空気をそっと温めている。
こういう場所は、ただ居るだけで心が休まる。
今日の私は、少しばかり欲張ってみようと決めていた。運ばれてきたのは、揚げたてのロースかつ御膳。それに、どうしてもと頼んだエビフライと牡蠣フライの単品が、行儀よく並んでいる。
まず、お椀の蓋を開けた。信州喜多屋の無添加味噌、それに羅臼昆布と甘エビの出汁だという。一口含むと、じんわりと体の奥底から温まるような、深い味わい。ああ、こういう味噌汁が、きちんとした食事には欠かせない。
新潟県糸魚川産の一等米コシヒカリ。ふっくらと粒が立ち、口に運べば甘みが広がる。炊き立てのご飯は、それだけでご馳走だ。
さあ、主役のロースかつ。きつね色の衣は、見るからにサクサクとしていて、食欲をそそる。箸で一切れ持ち上げ、何もつけずに頬張ってみる。熟成された豚肉の旨味が、噛むほどにじゅわりと溢れ出し、脂身は甘く、決してしつこくない。ああ、これぞ、きちんとしたとんかつだ。
そして、楽しみにしていたエビフライ。衣は薄く、中のエビは驚くほど大ぶりで、身が透き通るような半生の仕上がり。噛みしめると、ぷりっとした歯ごたえと共に、磯の香りが口いっぱいに弾ける。この半生の加減が、エビ本来の甘みを最大限に引き出している。これは、なかなか他では味わえない贅沢だ。
旬の牡蠣フライもまた、期待を裏切らない。一口食べると、衣の中からとろりとした海のミルクがあふれ出す。濃厚な旨みが舌に残り、思わず目を閉じてその余韻を味わった。
窓の外をぼんやりと眺めながら、私は箸を動かす。
一品一品、丁寧に作られた料理は、それぞれが小さな物語を持っているようだ。この店の人々の、真面目な仕事ぶりが伝わってくる。
美味しいものをいただくたびに、心が豊かになる。この、ささやかな贅沢が、また明日からの日常を彩ってくれるだろう。
煉瓦屋は、そんな温かな物語が生まれる場所だった。
スタッフ一同、皆様のお越しを心よりお待ちしております。
昭和55年創業
産地直送 霧島産熟成豚肉
純粋黒豚とんかつと和食の専門店
高尾 煉瓦屋
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